ABSTRACT 1420(P5-7)
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ATLにおけるpRBの発現とその燐酸化状態について:中山勝司1,山田恭暉1,小路武彦2,朝長万左男3,池田柊一4,上平憲11長崎大・医・臨検,2長崎大・医・解剖、3長崎大・医・原内,4佐世保総合病院・内科)

Expression and phosphorylation status of pRB in ATL:Katsushi NAKAYAMA1,Yasuaki YAMADA1,Takehiko KOJI2,Masao TOMONAGA3,Shuichi IKEDA4(1Dept. of Lab. Med., 2Dept. of Anat.,3Dept. of Hematol., Nagasaki Univ., 4Dept. of Int. Med., Sasebo General Hosp.)

【目的】癌抑制遺伝子産物pRBは肺小細胞癌を始めとする固形癌や更にはAML, ALL, CLL等の造血器腫瘍においてもその欠損や高燐酸化が報告されている。そこで私達はATL細胞について検索してみた。【材料と方法】細胞株としてはATL由来5株、MOLT-4, HL-60, Saos-2を、臨床検体としてはATL45例を含むリンパ増殖性疾患65例の末梢血単核細胞及びリンパ節細胞を用いてWestern blottingでpRBの発現及び燐酸化状態を検索した。一次抗体として抗pRBモノクローナル抗体G3-245(Pharmingen)を用いた。Saos-2をnegative controlとし、正常ヒト単核細胞、MOLT-4を各々低燐酸化型、高燐酸化型pRBのpositive controlとした。またリンパ節に対しては同抗体を使用して免疫組織化学的染色を施し、個々の細胞におけるpRBの発現を確認した。【結果】細胞株ではSaos-2でpRBの欠損を、その他の細胞株全てに高燐酸化型pRBを認めた。正常単核細胞をConcanavalin Aで刺激しても同様に高燐酸化型pRBを認めた。臨床検体では末梢血単核細胞で1例、リンパ節で1例、pRBの欠損を認めた。他は全て低燐酸化型pRBであった。【結論】急性型を含めた殆どのATLの症例で末梢血はもとよりその増殖の場であるリンパ節においてもpRBは低燐酸化の状態にあり、pRBの高燐酸化や欠損は必ずしもATL細胞の腫瘍性増殖には必要のないことが示唆された。