ABSTRACT 1502(P5-14)
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胃癌組織および背景胃粘膜における染色体不安定性ならびにp53発現、EB virusの関連について:内藤善哉1,横山宗伯1,工藤光洋1,松倉則夫2,徳永昭2,恩田昌彦2,浅野伍朗1(日本医大・1第二病理,2第一外科)

Clinicopathological study for the chromosome instability, expression of p53 and EB virus on gastric cancer:Zenya NAITO1,Munehiro YOKOYAMA1,Mituhiro KUDO1, Norio MATUKURA2, Akira TOKUNAGA2, Masahiko ONDA2, Goro ASANO11 Dept. of Pathology,2Dept. of Surgery, Nippon Medical School)

「目的」胃癌、胃粘膜の臨床病理学的検討に加え染色体不安定性、p53発現、EB virusとの関連について検索し報告する。「対象ならびに方法」胃癌47症例を用い、腸上皮化生と非腸上皮化生粘膜よりDNAを抽出し2p, 3p, 17pのmicrosatellite(MS)領域につき癌巣および腸上皮化生粘膜の複製異常RERとLOHを検索した。また、免疫組織化学的染色によりp53、EB virus LMP-1の発現を検討し、さらに、EBER, PCR法でIR-1について検索した。「結果」RERはすべて分化型癌のみ7/47例にみられ、その背景粘膜は、高度の腸上皮化生、萎縮性変化を示した。LOHは癌巣18/47例に認め、腸上皮化生粘膜にも、3例に検出された。また、17pLOHと癌のp53陽性には相関がみられた。LMP-1は、腸上皮化生萎縮粘膜でのみ高率に陽性を示した。EBERは18例の癌巣のみで陽性で、IR-1は癌巣のみならず、腸上皮化生粘膜や非癌-非腸上皮化生萎縮粘膜で陽性を示した。しかし、EB virus 感染様式とp53、RER、LOH 間に明らかな傾向はみられなかった。