ABSTRACT 1506(P5-14)
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散発性大腸癌における Mirosatellite Instability (MSI)と APC, K-ras の解析: 紫藤和久1,2、小西文雄1、宮木美知子2、増渕成彦、仙波真吾、小島正幸、金澤曉太郎1、塚本俊彦31自治医大・消化器一般外科、2 東京都立駒込病院、3北里大・生理化学)

Analysis of MSI, APC and K-ras in sporadic coloredctal carcinoma. Kazuhisa SHITOH1,2, Fumio KONISHI1, Michiko MIYAKI2, Shigehiko MASUBUCHI, Shingo SENBA, MASAYUKI Kojima, Kyotaro KANAZAWA1, Toshihiko TSUKAMOTO3 ( 1Dept. of Surg., Jichi Medical School, 2Tokyo Metro. Komagome Hosp., 3 Dept of Biochemistry, Fac. Pharm., Fac Pharm, Kitasato Univ.

[目的] HNPCCの発癌機構において APC, K-ras, p53 等の癌関連遺伝子の関与はほとんどないとされているが、 MSIを有す散発性大腸癌におけるこれらの遺伝子の関与について多数例で検討された報告はほとんどなく今回我々は散発性大腸癌について、MSIとAPC、K-ras の変異を検討した。[方法]散発性進行大腸癌を対象とした。まず MSI を 7つのマーカーで検討し、 4/7 loci以上陽性のものをMSI+とした。右側癌 44例(MSI+ 15、MSI- 29) 、左側癌19例(MSI+ 6、MSI- 13) についてAPCの変異をPCR-SSCP法およびDirect sequence法にて検索した。検索範囲はMCR を含んだ15A,C,D,G,H,Iとした。またK-ras は、右側例78例(MSI+ 20、MSI- 58) 左側例56例( MSI+ 11、MSI- 45)についてcodon12 の変異を検討した。[結果]右側癌では、PCR-SSCP法においてMSI+で60% (9/24)、MSI-で51%(15/29)にAPCの異常を認め、差が認められず、左側癌でも同様であった。これらの異常のうちで10数例がDirect sequence法にて異常が確認されており、引き続き解析を行っている。またK-rasの変異は右側癌のMSI例においては10%(2/20)にすぎず、MSI-に比し有意に低率であった。[結論]散発性大腸癌においてMSIの有無に関わらず、APCの変異を認めた。右側癌のMSI例の発癌過程においては、K-rasの関与の少ないことが示唆された。