ABSTRACT 1518(P5-14)
 ポスターセッション一覧 トップ 


原発性上皮性卵巣癌における micro satellite instarbility の検討:中嶋 博之1、渡部 洋1、星合 昊1、逸見 仁道2、野田 起一郎11近畿大・産婦、2東邦大・分生)

The study on microsatellite instarbility in primary epithelial ovarian carcinoma : Hiroyuki NAKAJIMA1, Yoh WATANABE1, Hiroshi HOSHIAI1, Hiromichi HEMMI2, Kiichirou NODA1 (1Dept. of Obst. ang Gyn., Kinki Univ. School of Med. 2Dept. of Mol. Biol., Toho Univ. )

(目的)原発性上皮性卵巣癌におけるmicrosatellite instarbilityの意義について、組織型・組織分化度・臨床進行期などの症例背景因子及び術後抗癌剤治療の奏効性から多角的に検討した。
(方法)手術摘出組織からDNAの抽出を行いD1S193 , D1S213 , D3S1246 , D7S1794 ,  D11S905 , D17S794の各 marker を用いて microsatellite locusの増幅を行い、変性 polyacrylamide gel 電気泳動により、卵巣癌における microsatellite instarbility ( MI )について検討を行った。また、検討卵巣癌症例全例について DNA mismatch repair 機構の主要関連遺伝子である hMSH2・hMLH1蛋白の組織内発現の有無について、免疫組織染色を用いて検討した。
(結果)MIを示した原発性上皮性卵巣癌症例は、endometriod adenocarcinoma及びmucinous adeno carcinomaに多く、serous adeno carcinoma 及び clear cell carcinomaに少ない傾向にあった。また、hMSH2蛋白、hMLH1蛋白のいずれかもしくは双方とも発現陰性と判定された症例は全例 MI を示した。しかし、hMSH2蛋白、hMLH1蛋白いずれも発現陽性と判定された症例においても MI を示した症例がわずかに認められた。さらに、初回手術の摘出標本における検討で MI を示した症例にCDDPを用いた術後化学療法非奏効症例が多かった。
(考察)原発性上皮性卵巣癌における MIの検討は、発癌機序との関連性のみではなく術後治療の有用な指標となる。