ABSTRACT 1520(P5-15)
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VEGF刺激により発現誘導される新たなZinc-Finger型転写因子遺伝子の構造と発現の解析:
蔵本 憲1 加藤 修2 木村昭郎1 渡辺敦光2 (1広島大・原医研・血液内科、2同・環境変異)

cDNA cloning of zinc finger type transcription factor gene induced by VEGF in leukemia cell line,CMK86.: Ken KURAMOTO1, Osamu KATOH2, Akiro KIMURA1, Hiromitsu WATANABE2. (1Dept.of Hematol.&Oncol., 2Dept.of Environment & Mutation, RIRBM, Hiroshima Univ.)

【目的】VEGF(vascular endotherial growth factor)及びその受容体であるflt-1,flk1/kdrは遺伝子ターゲッティングマウス等の解析により造血システムへの関与が強く示唆されている。また、我々はVEGFの白血病細胞株CMK86に対するアポトーシス抑制 効果を示した。今回は、その分子機序解明のため、白血病細胞株CMK86における,VEGF刺激後に発現誘導される遺伝子、特にzinc fingerモチーフをもつ転写因子に注目し、その遺伝子のクローニングを試みた。【方法と結果】VEGF刺激したCMK86細胞よりmRNAを抽出し、cDNAを合成した。そのcDNAを鋳型とし、zinc fingerモチーフを含むdegenerate primerを用いたPCRを行った結果、既知遺伝子(ZFP-36)とhomologyの高い新規の遺伝子断片を得た。CMK86cDNA library から全長cDNAのクローニングを行った結果、約2.3kb のクローン(ZK-7)を得た。全塩基配列を決定したところ,5'側約350bpは86%相同性を持つ新規の遺伝子配列を持っていたが、3'側約750bpは既知遺伝子Kruppel-related gene:HZF-16と完全に一致した。また、この遺伝子のアミノ酸配列について検討したところ、全298 アミノ酸中N末81アミノ酸は、KRAB(Kruppel associated box) domain を有していた。そして、C 末217アミノ酸においては、前述のHZF-16タンパクのC 末217アミノ酸と完全に一致し、計7個のC2H2 typeのzinc-finger domain を有していた。現在このcDNAの由来、及び遺伝子産物の機能について検討を行っている。