ABSTRACT 1522(P5-15)
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造血器腫瘍におけるBax、bcl-x遺伝子の解析:山口博樹,猪口孝一,中村佳代,塙 秀樹,田野崎栄,松岡弘樹,三宅弘一,檀 和夫 (日本医大・3内)

Analysis of Bax and bcl-x gene in hematological malignanies:Hiroki YAMAGUCHI, Koiti INOKUCHI,Kayo NAKAMURA, Hideki HANAWA, Sakae TANOSAKI, Hiroki MATUOKA, Kouichi MIYAKE and Kazuo DAN (3rd dept., Int. Med., Nippon Medical School)

【目的】bcl-2 familyのbcl-xl はbcl-2と同様アポトーシスを抑制し、Bax、bcl-xsはアポトーシスを促進する。これらはbcl-2 homology domain (BH)と称される共通配列を介してhomoまたはhetero daimerを形成しアポトーシスを制御している。 濾胞性リンパ腫からびまん性リンパ腫へのtransformationにおいてbcl-2の点突然変異が報告されているが、他のfamilyにおいての検討は少ない。我々は造血器腫瘍におけるBax、bcl-xの点突然変異を検索した。またbcl-x遺伝子はアポトーシスを抑制するxlと、促進するxsのcDNAをコードしている。急性白血病の経過においてこれらの発現の変化を検索した。
【方法】再発白血病患者11例と同一症例由来細胞株2株(OES:初発時由来、OER:再発時由来)に対して、 bcl-xl、bcl-xsの発現をRT-PCR法にて検索した。また造血器腫瘍由来細胞株15株、悪性リンパ腫10例に対してBax、bcl-xの点突然変異をSSCP法にて検索した。
【結果】3例と細胞株において初発時認めたbcl-xsの発現が再発時消失していた。また他の3例は初発再発時共にbcl-xsの発現が消失していた。点突然変異についてはBax、bcl-x共に認めなかった。
【考察】bcl-x遺伝子は急性白血病の一部の症例において経過中スプライシングを選択的に変化させ、アポトーシスを抑制し発症、再発に関与している可能性が考えられた。またbcl-2の点突然変異が報告されているが、Bax、bcl-xに関しては点突然変異は認めなかった。