ABSTRACT 1529(P5-15)
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ヒト乳癌におけるbcl-2蛋白発現と悪性度の関係について:駒木幹正,鎌村好孝,門田康正(徳島大・二外)

Correlation between Bcl-2 expression and several markers of malignancy in human breast cancer:Kansei KOMAKI, Yoshitaka KAMAMURA, Yasumasa MONDEN (Dept. of Surg., Univ. of Tokushima)

アポトーシス抑制遺伝子bcl-2が発現する細胞はcellのsurvivalが延長し増殖性が増していると考えられるが,ヒト乳癌においてはBcl-2蛋白発現とER(estrogen receptor)の発現には正の相関がみられる.今回,ヒト乳癌のBcl-2蛋白発現と他の悪性度指標との関係を検討した.【対象と方法】女性原発性乳癌のうち3cm以下の浸潤性乳管癌65例を対象に,原発巣の組織学的悪性度を判定し,Bcl-蛋白発現,ER, PgR(progesteron receptor)発現およびC-erbB-2, P53遺伝子蛋白発現,さらにKi-67抗原の発現を免疫組織化学的に検索した.【結果】(1)Bcl-2蛋白発現と有意な相関をみたのはERの他, PgR, MIB(Ki-67), C-erbB2発現であり, 相関係数はそれぞれ0.334(p=0.007),-0.349(p=0.004)-0.340(p=0.006)であった.(2) Bcl-2蛋白発現と核分裂像頻度との間には有意な相関がみられたが,細胞異型性や腺管形成性の間には有意な相関がなかった.(3) 目的変数をBcl-2蛋白の高発現/低発現とし判別分析を行ったところ,有意な(有意水準10%)説明変数としてER, MIB(Ki-67), C-erbB2が選択された.【まとめ】ヒト乳癌においてBcl-2蛋白高発現症例は悪性度の低いものが多い.