ABSTRACT 1530(P5-15)
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子宮癌における Bcl-2、BAX および Survivin 遺伝子の解析:齋藤裕司, 碁石勝利, 山下剛,柳沼裕二, 石川睦男(旭川医大・医・産婦)

Analysis of Bcl-2, BAX and Survivin gene in uterine cancer:Yuji SAITOH, Katutoshi GOISHI, Tuyoshi YAMASHITA, Yuji YAGINUMA, Mutuo ISHIKAWA(Dept. of Ob.& Gyn., Asahikawa Med Coll)

[目的]発癌をアポトーシスからの逸脱現象ととらえ、アポトーシス関連遺伝子である Bcl-2、BAX 遺伝子、および Survivin 遺伝子について、子宮癌を用いて分子生物学的に解析した。[方法]子宮頚癌細胞株 7 株、子宮体癌細胞株 6 株、さらに子宮頚癌組織 25 例、子宮体癌組織 17 例を材料とした。DNA はホルマリン固定パラフィン包埋ブロック標本より、RNA は新鮮凍結組織から抽出した。BAX 遺伝子についてはコーデイング領域内の G8 領域を PCR-SSCP 法で検討し、異常を認めた例について塩基配列を解析、さらに Western blot 法にて Bcl-2 / BAX ratio を検討した。Survivin 遺伝子については、正常組織を対照にその発現を RT-PCR 法および Northern blot 法にて検討した。[成績]BAX 遺伝子については、子宮頚癌細胞株 1 例、子宮体癌細胞株 1 例で塩基配列異常を認め、子宮頚癌組織でも 4 %に同様の異常を認めた。Survivin 遺伝子については正常組織に比べて子宮頚癌では90%でその過剰発現が認められ、子宮体癌ではその65%で過剰発現が認められた。[結論]子宮癌において低頻度ではあるがアポトーシス関連遺伝子である BAX 遺伝子の異常および Bcl-2 / BAX ratio の相違が認められた。また抗アポトーシス遺伝子である Survivin 遺伝子については高頻度で過剰発現が認められ、これらの遺伝子が子宮癌細胞のアポトーシスからの逸脱、すなわち発癌に関与していることが示唆された。