ABSTRACT 1532(P5-15)
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増殖停止関連遺伝子eti-1のアポトーシス誘導活性: 増井徹、高田容子、岩下新太郎、田辺秀之、祖父尼俊雄、水沢博国立医衛研・変異遺伝、三菱生命研・先端)

Apoptosis Induction of Growth Arrest Related Gene eti-1: Tohru MASUI1, Yohko TAKADA1, Shintaro IWASHITA2, Hideyuki TANABE1, Toshio SOFUNI1, Hiroshi MIZUSAWA1 (1Natl. Inst. Health Sci., Div. Genet. Mut., 2 Mitsubishi Inst. Life. Sci.)

[目的] ヒトの悪性腫瘍の大半が上皮由来であることから、上皮細胞特異的な増殖調節機構解析を目的に、outgrowth培養系と増殖停止誘導法(topoinhibi-tion)を確立した。現在この系を利用して単離した正常ヒト上皮細胞の増殖停止特異遺伝子 eti-1 (epithelial topoinhibition inducible)の構造と機能の解析を進めている。
[方法と結果] 増殖抑制活性の機構を明らかにする目的で、eti-1 のC末側にGFPタグを付加した融合蛋白質をVero細胞に発現させた。細胞はトランスフェクション後1日目より培養表面より遊離する。そこで、トランスフェクション後 36時間の核をプロピジウムアイオダイト(PI)で染色したところアポトーシスの指標である、perinuclear chromatin condensationと核の断片が観察された。さらに、TUNEL法によってDNAの断片化が観察された。正常に細胞周期を進行している細胞核もTUNEL法によるラベルされるが、GFPとTUNELで二重ラベルされた核は アポトーシス形態を示した。
[結論] Vero細胞に対する eti-1 遺伝子の増殖抑制活性はアポトーシス誘導によることが示唆された。