ABSTRACT 1569(P5-19)
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マウスp53遺伝子の酵母アッセイ法の確立と改良:常松泉1,3、外木秀文1、中田大地1、巴一1、浜田淳一1、守内哲也1、細川真澄男2、浅香正博3(北大・医・1癌研細胞制御、2癌研病理、33内)

Establishment and improvement of the yeast functional assay for mouse p53 mutation: Izumi TSUNEMATSU1,3, Hidefumi TONOKI1, Daichi NAKATA1, Yi BA1, Jun-ichi HAMADA1, Tetsuya MORIUCHI1, Masuo HOSOKAWA2, Masahiro ASAKA3 (1Div. Cell Biol. and 2Palthol., Cancer Inst., 33rd. Dept. Med., Hokkaido Univ. Sch. Med.)

【目的】マウスp53の酵母アッセイ法は、ヒトやラットに比べバックグラウンドの赤コロニーの比率が非常に高いという問題があった。今回、この問題点を解決するための工夫を行った。【方法・結果】ヒトやラットの場合と同様にp53のコドン64-341を削除したマウスp53発現ベクター(gap vector)を用いた酵母アッセイでは、正常組織で20%以上の赤コロニーが出現した。この原因として、1) RNAサンプルへのDNAの混入に起因するp53偽遺伝子の増幅、2) アデニン(A)やチミン(T)の連続する配列にみられる転写スリップの影響が考えられた。このため、1) サンプルにDNase処理を加える、2) ギャップ修復される領域にAやTの連続する配列が含まれないよう削除領域を変更する等の改良を加え、バックグラウンド赤コロニーを10%以下に抑えることに成功した。この方法で種々の培養マウス細胞株のp53 statusを決定できた。また、XPC遺伝子変異マウスのUV誘発皮膚癌組織のp53変異の検出を行った。【結論】マウスp53変異の機能的アッセイの要望は非常に高いにもかかわらず、実験動物ではマウスのみこのアッセイが不可能であった。本研究によって、これらの問題が解決されマウスp53の機能的変異を鋭敏かつ簡便に検出することが可能となった。