ABSTRACT 1570(P5-19)
キメラp53発現ベクターを用いたハムスターp53変異の酵母アッセイ法の開発:柏崎晴彦1,4、外木秀文1、山崎 裕3、千葉逸朗3、進藤正信5、戸塚靖則4、八島秀則1、中田大地1、細川真澄男2、守内哲也1(1北大・医・癌研細胞制御、2病理、北大・歯・31口外、42口外、5口腔病理)
Development of yeast functional assay for hamster p53.: Haruhiko KASHIWAZAKI1,4, Hidefumi TONOKI1,Yutaka YAMAZAKI3, Itsuo CHIBA3 , Masanobu SHINDOH5 , Yasunori TOTSUKA4, Hidenori YASHIMA1, Daichi NAKATA1, Masuo HOSOKAWA2, and Tetsuya MORIUCHI1 (1Div. Cell Biol. and 2Pathol., Cancer Inst., Hokkaido Univ. Sch. Med., 31st. and 42nd Dept. Oral Surgery, 5Oral Pathol., Hokkaido Univ. Sch. Dent.)
[目的]昨年、我々はラットおよびマウスのp53遺伝子変異を遺伝子相同組み換えを利用することで簡便かつ高感度に検出できる酵母アッセイ法を確立したことを本学会で報告した。今回、口腔癌の発癌モデルとして頻用されているハムスターのp53酵母アッセイの開発を行った。
[方法]ハムスターp53 cDNAを相同組み換えによりラットp53発現ベクターに組み込み、両端がラットで、DNA結合ドメインを含む大部分がハムスター由来となるキメラp53発現ベクターを作製した。これからp53のDNA結合ドメインを削除し、ハムスター検体由来のp53 RT-PCR産物とともにレポーター用酵母yIG397に導入し、酵母アッセイを行なった。[結果]本法によりDMBA誘発ハムスター頬嚢粘膜癌6例中2例に高率の赤コロニー(65%, 43%)を検出し、それぞれにクローナルな変異を同定した(R252L, 264-272 deletion)。以上より、キメラ蛋白の発現ベクターによる酵母アッセイでもp53の変異が検出可能であることが示され、ハムスターのp53変異の解析に有用な方法が開発された。