ABSTRACT 1571(P5-19)
マウス正常肝細胞及び肝癌に由来する細胞株のLOH解析:石崎賢一、小川勝洋(旭川医大第1病理)
LOH analysis in cell lines derived from normal hepatocytes and hepatocellular carcinomas in mice:Kenichi ISHIZAKI, Katsuhiro OGAWA (1st Dept. of Pathol., Asahikawa Med. Coll.)
(緒言)我々はこれまでに、B6C3F1又はC3B6F1マウスの肝細胞株で第4染色体の欠失が高頻度に見られ、B6マウスのalleleのlossが起こりやすいことなどを報告してきた。さらに染色体及びLOH解析を進めたところ、第12染色体でもLOHが高頻度で見られ、3つの最小共通欠失領域が存在することがわかったので報告する。(方法)B6C3F1又はC3B6F1マウスの肝細胞及びに肝癌細胞を初代培養し、出現したコロニーを4〜12週目に分離して、細胞株を作成した。染色体解析はG band法により、LOH解析はPCRによるSSLP DNA markerを用いて行った。(結果)染色体解析では、第4、第12、Y染色体の欠失と第15、9染色体の増加が見られた。LOH解析では第4、第12染色体で高頻度にLOHが見られ、特に第12染色体では、5.5cM付近、30.7cM付近、50.3cM付近の3カ所にLOH共通領域が見られた。