ABSTRACT 1573(P5-19)
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B6C3F1マウスの自然発生肝腫瘍についての解析II : 飯田麻里1,2,岩田 聖,榎本 眞,竹石桂一(財)安評センター,静岡県大)

Pathological analysis on the spontaneous liver tumors of B6C3F1 miceII: Mari IIDA1, 2, Hijiri IWATA1, Makoto ENOMOTO1, Keiichi TAKEISHI 2 (1 An-pyo Center, 2 Univ. of Shizuoka)

〔目的〕 マウスの肝腫瘍発生にはH‐ras遺伝子の点突然変異による活性化が大きく関わっていることが知られている。我々も第54回本学会においてB6C3F1マウスに加齢性に自然発生する肝腫瘍の形態学的な特徴とH-ras遺伝子の変異について解析を行い報告した。一方、H-ras遺伝子に変異の認められない自然発生肝腫瘍もかなりの頻度で認められることから、今回はその他の発癌関連蛋白の発現について免疫組織化学的に検討した。
〔材料と方法〕 当センターで行われたB6C3F1マウスを用いた2年間発癌試験の中から対照群に発生した自然発生肝腫瘍を材料とした。自然発生肝腫瘍は、H-ras codon61の変異の有無を確認した後、TGFα、C-erbB-2、EGFR、Bcl-2の各抗体を用いて免疫組織化学的検索を試みた。
〔結果〕 TGFα、C-erbB-2についてはいずれの症例も陰性であった。EGFRについては、マウス肝細胞腫瘍に見られるいわゆる好酸性封入体の一部が陽性に染色されたが、局所的であることや特異性もないことからその意義は不明であった。最もよく反応したのは、Bcl-2であり、現在、表現型(basophilic, eosonophilic, clear, vacuolated, mixed)の違いによる陽性像の差、PCNAやApoptosis、さらにはH-ras遺伝子の変異との相関を検討中である。