ABSTRACT 1575(P5-19)
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F1ラットを用いた膀胱癌におけるLOHの検索:陳天新, 山本晋史, 魏民, 鰐渕英機, 高場克巳, 福島昭治(大阪市大・医・1病理)

Loss of heterozygous analysis in F1 rat urinary bladder tumors: Tian-xin CHEN, Shinji YAMAMOTO,Min GI, HidededededededeeMOTO,Min GI, Hideki WANIBUCHI, Katsumi TAKABA, Shoji FUKUSHIMA (The First Dept. of Path., OSAKA City University, Medical School)

「目的」我々はこれまでにラット膀胱癌におけるp53、 H-ras、 microsatellite instability等の遺伝子変化の検索を行ってきた。今回はF1ラットを用いて、BBN長期投与あるいは二段階膀胱発癌モデルにより誘発したラット膀胱癌においてLoss of heterozygous(LOH)の検索を行った。「方法」(Lewis/F344)F1ラットの雄、6週齢、60匹を用いた。これらを3群に分け、第1群には0.05%BBNを含む飲料水を36週まで投与した。第2群と第3群には00.05%BBN飲料水を4週まで投与し、その後第2群に dimethylarsinic(DMA)、100ppm含有飲料水を、第3群にsodium L-ascorbic acid (Na-AsA)、5%含有粉末飼料をそれぞれ5週から44週まで投与した。ラットを屠殺後、膀胱を10%ホルマリンで固定した。Microdissectionにより第1群は22例、第2群は9例、第3群は15例の膀胱癌からDNAを抽出し、36個のLOHマーカーを用いて検索を行った。「結果」膀胱腫瘍の発生率は第1および2群では100%、第3群では56%であった。LOHの頻度は第1群で3/22 (14%)、第2群で2/9 (22%)、第3群で0/15 (0%)であった。「結論」ラット膀胱発癌において、遺伝毒性物質、BBNのみにより誘発された膀胱癌および二段階発癌モデルのDMAにより誘発された膀胱癌においてLOHは低頻度ながら認められた。しかし、Na-AsA投与群ではLOHは認められなかった。