ABSTRACT 1576(P5-19)
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Tsc2変異(Eker)ラットの腎癌細胞に特異的に発現している新規Erc遺伝子のプロモーター領域の解析:中易千早、織本健司、樋野興夫(癌研・研・実験病理)

Analysis of the promoter region of Erc gene expressed in renal cell carcinoma of Tsc2 mutant (Eker) rat model. Chihaya NAKAYASU ,Kenji ORIMOTO ,Okio HINO (Dept. of Experimental Pathology ,Cancer Institute)

Erc遺伝子はTsc2 mutant(Eker)ラットの腎癌細胞と正常腎組織とのcDNAサブトラクションにより最近、我々の研究室で単離された。その後、Erc遺伝子はヒトの悪性胸膜中皮腫、卵巣癌あるいは膵臓癌に強発現する遺伝子として分離、同定された遺伝子のRat homologueであることが判明した。Erc遺伝子産物は分子量約69KDaのGPI-アンカー型蛋白で細胞接着や遊走能に関連した機能を有している事が示唆されているが、その詳細な機能については不明である。Erc遺伝子は正常肺においてヒトでもラットでも強発現しており、臓器特異的な発現を解析する上でも、転写制御領域の解析は重要である。今回、我々は種々の培養細胞株を用いてErc遺伝子の転写開始点を含む5'上流領域の種々の欠失変異断片を作製し、ルシフェラーゼ遺伝子をレポーターとしてプロモーターの活性化領域を検討し、さたにTsc2遺伝子発現との関係を調べたので報告する。また、この欠失変異断片を用いて組織、臓器特異的発現を制御する領域についても検討したのであわせて報告する。