ABSTRACT 1597(P5-21)
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SNPs (single nucleotide polymorphisms) を利用した癌抑制遺伝子における LOH (loss of heterozygosity) の検出 : 佐々木智成、稲塚雅一、田平知子、林健志 (九大遺伝情報験・ゲノム解析分野)

Detection of LOH in tumor suppresser genes using SNPs :
Tomonari SASAKI, Masakazu INAZUKA, Tomoko TAHIRA, Kenshi HAYASHI (Div. of Genome Analysis, Inst. of Genet. Info., Kyushu Univ.)

LOH の検出は癌抑制遺伝子失活の同定に有効だが、そのために必要な多型マーカーの数が現時点では不十分である。SNPs は1塩基置換をもとにした多型マーカーで、ヒトゲノム中では約 1 kb に 1 個の割合で存在すると言われている。我々はキャピラリー電気泳動装置による PCR-SSCP 法 (キャピラリー SSCP) を使って、癌抑制遺伝子の領域に存在する SNPs を収集し、これを用いて LOH を検出することを考案した。それにはヘテロ接合体出現頻度の高い SNPs をマーカーとすることが肝要である。そこで50〜100 人のゲノムDNA を一緒にプールしたサンプルを PCR で増幅し、キャピラリー SSCP で検出する。この方法では分離したピークの高さの比がヘテロ接合体出現頻度を反映していると考えられるので、上記頻度の高いものを選択することが可能である。p53, BRCA1, BRCA2 などのゲノムDNA の配列が確定している癌抑制遺伝子を対象とし、その5'UTR ( untranslated region), ゲノムDNA 内部のイントロン、3'UTR の3カ所でSNPsを検索している。