ABSTRACT 1601(P5-21)
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DAN蛋白質の生物学的機能の検討:中村洋子, 尾崎俊文, 一宮慎吾, 高田尚幸, 中川原 章, 崎山 樹(千葉がんセ・研・生化)

Characterization of DAN protein:Yohko NAKAMURA, Toshinori OZAKI, Shingo ICHIMIYA, Naoyuki TAKADA, Akira NAKAGAWARA and Shigeru SAKIYAMA (Div. Biochem., Chiba Cancer Center Res.Inst.)

当研究室で得られたこれまでの研究結果から、DAN 蛋白質は、細胞質画分に局在するとともに細胞外に分泌されることが明らかになっている。しかしながら、細胞外に分泌されたDAN蛋白質がどのような分子機構を通して、細胞の増殖ならびにがん化を抑制するかについては不明である。DAN蛋白質の作用機構を解明する目的のもとに、以下の実験を行った。本研究では、DAN蛋白質はそのアミノ酸配列上、ヘパリン結合配列に類似した配列(105-PRVDKL-110)を持つことから、ヘパリンに結合することが想定された。C-末端にflag エピトープを付加した融合蛋白質(DAN-flag)、あるいは、細胞外に分泌されたDAN蛋白質のヘパリン結合アガロースへの吸着能から、DAN蛋白質はヘパリン結合性を持つことが示唆された。一方、C-末端にmycエピトープを付加した融合蛋白質(DAN-myc)をCOS細胞で過剰発現させたところ、DAN-myc は細胞質に局在する(間接蛍光抗体法)とともに、細胞外へ分泌される(ウェスタンブロット法)ことが明らかとなった。従って、細胞外から加えたDAN蛋白質が細胞の増殖に対してどのような効果を示すのか、興味あるところであり、現在検討中である。