ABSTRACT 1602(P5-21)
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Two-hybrid 法 によるDAN 結合蛋白質に対する cDNA のクローニング:尾崎俊文1、中村洋子1、一宮慎吾2、花岡英二1、中川原章1、崎山樹11千葉がんセ・研・生化、2札幌医大・病理)

Molecular cloning of cDNAs which encode DAN-associating proteins by two-hybrid system :
Toshinori OZAKI1, Yohko NAKAMURA1, Shingo ICHIMIYA2, Eiji HANAOKA1, Akira NAKAGAWARA1, Shigeru SAKIYAMA 1 (1Div. of Biochem., Chiba Cancer Center Research Institute, 2Div. of Pathology, Sapporo Medical School)

様々なトランスホーム細胞で著しい発現抑制を受ける DAN 遺伝子の産物は、in vitro において細胞の増殖、ならびにがん化を抑制する機能を持つことが知られている。また、DAN 蛋白質は細胞周期上 S 期への移行を負に制御する活性を持つことから、細胞周期の進行を負に制御する調節因子の一つであると想定されている。最近、DAN 蛋白質は細胞質に局在すると共に、細胞外へ分泌される性質を持つことが明らかにされたが、DAN 蛋白質がどのようなしくみを通して、細胞増殖の制御に関与しているのかについては、未だに不明である。本研究では、酵母のTwo-hybrid 法を用いて、DAN 蛋白質と直接結合する蛋白質を同定すると共に、その分子間相互作用の生物学的な役割を解明することを目的とする。全長のラットDAN 蛋白質を用いて、正常ラット肺由来の cDNAライブラリーに対してTwo-hybrid スクリーニングを試みたところ、5 個の陽性シグナルが得られた。これらの cDNA の塩基配列を調べたところ、3 クローンは既に当研究室で同定されているDAN 結合蛋白質 DA41 をコードしていた。残りの 2 クローンは、それぞれ新規の蛋白質、および BAT3 (HLA-B-associated transcript-3)をコードしていた。DA41 とは異なり、BAT3 は DAN 蛋白質のアミノ末端領域と相互作用することが判明した。我々は、このBAT3 遺伝子産物に着目し、DAN 蛋白質との複合体形成の生物学的意義について検討している。