ABSTRACT 1603(P5-21)
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HeLa融合細胞の腫瘍性に伴う細胞膜タンパク質の発現変化と癌抑制遺伝子機能:能戸保光1、2、岩崎綾乃1、仲威和郎1、2、長尾二郎2、炭山嘉伸2、北川隆之11国立感染研・細胞化学、2東邦大・医・3外)

Tumor-associated membrane changes in HeLa-cell hybrids and functions of a putative tumor suppressor gene.:Yasumitsu NOTO1,2, Ayano IWAZAKI1, Iwao NAKA1,2, Jiro NAGAO2, Yoshinobu SUMIYAMA2,Takayuki KITAGAWA1 (1Dept. Biochem. and Cell Biol.,Natl. Inst. of Infectious Disease,Tokyo,Japan,2Third Dept.of Surg.,Toho Univ. School of Med. )

【目的】子宮癌由来HeLa細胞の造腫瘍性は、11番染色体上の新規癌抑制遺伝子の制御を受けると推定される。Hela由来融合細胞・CGL4では腫瘍性に伴い、小腸型アルカリフォスファターゼ (ALP) の増加・カベオリンの発現低下・糖輸送タンパク質 GLUT1の糖鎖修飾と糖親和性の増加が同時に起こる。本実験では、放射線照射により腫瘍性を獲得した融合細胞 について細胞膜タンパク質変化を観察し、癌抑制遺伝子機能との関連を調べた。【方法】非腫瘍性融合細胞 ・CGL1を放射線照射し腫瘍性を獲得した細胞株・GIM および対象の放射線照射非腫瘍細胞株・CONを用い、特異抗体を用いたウエスタンブロット法により検討した。【結果・考察】GIMでは腫瘍性CGL4と同様にALPの発現増加・カベオリンの発現低下・糖鎖修飾型GLUT1と糖親和性の増加が共通に認められたが、CONでは細胞膜タンパク質の発現様式はいずれも非腫瘍性CGL1と同様であった。更に、あるCON株では継代中にALPが増加し、同時に細胞膜変化が協調的に誘導され in vivo 腫瘍性・増殖形態の変化も認められた。以上より、HeLa融合細胞系の細胞膜変化は腫瘍性獲得と密接な関連があり、これらの変化が癌抑制遺伝子の欠失に起因することが示唆された。