ABSTRACT 1609(P6-1)
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前立腺癌におけるPepsinogen IIの発現とホルモンレセプタ-に関する免疫組織学的検討:中岡伸悟1,小西登1,松本恭一2,中村光利1,日浅義雄11奈良医大2病理,2日本医学臨床・研究部)

Immunohistochemical analysis of Pepsinogen II and hormonal receptors in prostate carcinomas:Shingo NAKAOKA1, Noboru KONISHI1,Kyouichi MATSUMOTO2,Mitsutoshi NAKAMURA1,Yoshio HIASA1(12nd.Dept.Pathol.,Nara Med.Univ.,2Japan Clin.Lab.)

[目的]Pepsinogen II(PG II)は胃のみならず前立腺、乳線、十二指腸、膵臓等で発現するとされているが、最近乳癌においてその発現には性ホルモンの関与が推定されている。今回我々は前立腺癌においてPG IIの発現がこれらのホルモンにより影響されているか否かを検討するために、androgen receptor(AR)及びestrogen receptor (ER)を用い免疫組織学的に検索した。[材料と方法]全摘前立腺癌38例を用いPG II,AR及びERの各抗体により免疫組織学的染色を行い、PG IIでは陽性細胞があれば、ARでは40%以上の陽性細胞で、ERでは5%以上の陽性細胞で各々陽性と判定した。各陽性率の比較とその発現部位を比較検討した。[結果と考察]PG IIの発現とAR は有意に相関関係を示したが、ER に対しては相関関係が得られなかった。ほとんどの症例においてPG II陽性細胞はAR陽性細胞の発現部位に存在していた。ARとERの発現には有意の相関関係が得られた。以上の事から前立腺癌におけるPG IIの発現はARとの相関関係が認められ、androgen hormoneによる調節が関与すると示唆された。