ABSTRACT 1610(P6-1)
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ヒト癌培養細胞株が産生する新しいセリンプロテアーゼNeurosin(PRSS9):小林真一郎、松村博臣、岡本和真1、大辻英吾、山口俊晴、山口希京都府立医大・一外、京都府立医大・老化研)

A novel serine protease Neurosin(PRSS9) producted by human cancer cell lines : Shinichiro KOBAYASHI1, Hiroomi MATSUMURA1, Kazuma OKAMOTO1, Eigo OTSUJI1, Toshiharu YAMAGUCHI1, Nozomi YAMAGUCHI2 (1st Dept.of Surg.,Kyoto Pref. Univ.of Med. 2Dept. Cell biol. Inst. For Geriatrics)

[目的]種々のヒト癌培養細胞株64株の培養上清中の新規セリンプロテアーゼNeurosin(PRSS9)の存在を確認、陽性細胞での遺伝子配列を検討した。[方法]:無蛋白培養細胞64株の上清をNeurosin特異抗体を用いてWestern blotで分析した。種々カラムクロマトで培養細胞由来Neurosinを分離精製し、N-末端アミノ酸配列を分析した。また、精製品を用いて基質特異性や阻害物質を検討し、リコンビナントNeurosinとの比較も行った。[結果]:64株中、陽性は7株(膵臓癌4株、大腸癌2株、乳癌1株)に見られた。Western blotで分子量は約30Kで、神経系由来リコンビナントNeurosinと一致していた。基質および阻害物質特異性も同じであった。遺伝子配列も同一で、変異はみられなかった。[まとめ]:培養細胞由来Neurosinは脳神経系のそれとまったく同一のトリプシン様プロテアーゼであり、培養上清中に活性体の状態で存在することが判明した。