ABSTRACT 1612(P6-1)
 ポスターセッション一覧 トップ 


シスプラチン投与による細胞核内可溶性プロテイン・キナーゼ活性の変動:長島鎮、黒木義浩、柳田修、阪井哲男、脇坂晟、呉屋朝幸杏林大・医・2外、杏林大・医・2生化)

Effect of cisplatin on the activity of soluble nuclear protein kinase:Yasushi NAGASHIMA1, Yoshihiro KUROKI1, Osamu YANAGIDA1, Tetsuo SAKAI2, Akira WAKIZAKA2, Tomoyuki GOYA1(1Dept. of Surg. , Kyorin Univ. Sch. Med., 2Dept. of Biochem. ,Kyorin Univ. Sch. Med.)

目的:細胞核内可溶性プロテイン・キナーゼ(PKase)の病態生理学的意義を明らかにするため、腫瘍組織における本酵素活性のシスプラチン投与時における変動について調べた。方法:Meth A cellを移植したBALB/c系マウスにシスプラチンを投与し、腫瘍組織の細胞核より低張緩衝液で抽出されるPKaseを得、さらに分画し測定した。結果:対照の正常肝では、シスプラチンの投与により、0.15M、0.3M分画のPKase活性はいずれも低下した。腫瘍組織では、0.15M分画中のPKase活性が高かったが、シスプラチンの投与により、経時的に低下した。一方0.3M分画中のPKase活性は、シスプラチン投与後24時間で急激に増加し、48時間で低下、96時間で再度上昇という二相性の変化を示した。考察:腫瘍組織の核可溶性PKaseのうち、0.15M分画中のものは細胞増殖が活発な組織で活性化されており、0.3M分画中ものはシスプラチンによる増殖抑制時に活性化されることが示された.