ポスターセッション

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切除進行胃癌のリンパ節転移巣における Thymidine phosphorylase 活性の意義について：薮崎裕、梨本篤、佐々木壽英（新潟がんセ・外）

Increased level of thymidine phosphorylase activity in metastatic lymphnodes of advanced gastric cancer:Hiroshi YABUSAKI, Atsushi NASHIMOTO, Juei SASAKI (Division of Surgery, Niigata Cancer Ctr. Hosp.)

【目的】Thymidine phosphorylase (dThdPase) は血小板由来血管内皮増殖因子と同一蛋白であり、胃癌において血行性転移あるいは予後因子として検討されている。しかし dThdPase とリンパ節転移との関係を論じたた報告は少ない。今回、我々は転移陽性リンパ節における dThdPase 活性について検討を行った。
【対象と方法】平成 9 年 1 月より当科で手術した初発進行胃癌のうち、切除が可能であった 57 例を対象とした。原発巣、リンパ節転移巣および正常粘膜組織における dThdPase 活性は ELISA 法により定量し、100 Unit/mg prot./hr 以上を高値群、100 Unit/mg prot./hr 未満を低値群として臨床病理学的諸因子との関連について比較検討した。
【結果】1. dThdPase 値は原発巣 100.8±83.8 Unit/mg prot./hr, リンパ節転移巣 137.3±103.8 Unit/mg prot./hr, 正常粘膜組織 37.8±18.5 Unit/mg prot./hr であり、原発巣、リンパ節転移巣と正常粘膜組織との間 (P＜0.01) および原発巣とリンパ節転移巣との間 (P＜0.05) に有意差を認めた。 2.dThdPase 高値群は低値群に比較し、肉眼型は限局型が、間質量は髄様型がそれぞれ有意に多かった (P＜0.05)。3. 血行性転移および脈管侵襲因子には差を認めなかった。
【結語】正常粘膜組織より原発巣およびリンパ節転移巣において有意に dThdPase 活性の亢進を認めたことより、5'- DFUR は正常粘膜組織への影響が少なく、腫瘍巣特にリンパ節転移巣に対する効果が期待された。