ABSTRACT 1615(P6-1)
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Protein Ser/Thr Phosphatase(PP1、PP2A、PP2B及びPP2C)の発現からみた白血病細胞の生物学的特徴:山本昌利1、鈴木宣則1、紀平久和1、北 堅吉1、長尾美奈子2、小林孝安3、田村真理3、珠玖 洋1、西川政勝11三重大・医・二内、2国立がんセ・研・発がん、3東北大学・加齢医学)

Relationship between Protein Ser/Thr Phosphatases( PP1,PP2A,PP2B and PP2C ) expression of leukemic cells and biological characteristics of leukemia:Masatoshi YAMAMOTO1,Yoshinori SUZUKI1,Hisakazu KIHIRA1,Kenkichi KITA1,Minako NAGAO2, Takayasu KOBAYASHI3, Shinri TAMURA3, Hiroshi SHIKU1, Masakatsu Nishikawa1(1 2nd Dep.of Int. Med.,Mie Univ.Sch.,Carcino.Div.,Natl.Cancer Ctr.Res.Inst,3Inst.
Dev.Aging&Cancer,Tohoku Univ.)

【目的】Ser/Thr Phosphatase(PP1,PP2A,PP2B,PP2C)は、細胞周期、細胞性免疫、転写因子の調節などに重要な役割を果たしている事が近年明らかにされつつある。前回我々は患者白血病細胞を用いてPhosphataseの活性と酵素の発現量を報告したが、さらに症例数を増やし(AML 65例,ALL 8例,CLL 12例)、表面マーカーや予後との関連についても検討した。【方法】2×108個の患者芽球から細胞質画分を作成し、Phosphataseの活性は[32P]リン酸化MLCを基質とし、酵素量は Immunoblot 法により測定した。【結果・考察】各白血病細胞においてPhosphataseは幅広く分布しており、その活性・酵素量は異なっていた。PP1,PP2A発現はM3,M4,正常単球において高く、PP2BはM2,M3,正常リンパ球で高く、PP2CはM5及び正常単球が最も高かった。CD34陽性AMLではPP1活性は有意に低く、CD14陽性AMLではPP2A活性が、CD11b陽性AMLではPP1,PP2A活性が有意に高かった。一方CD7陽性AMLではPP1,PP2A,PP2B活性が有意に低かった。また年齢間ではPP1,PP2B活性は55歳以上のAML症例で有意に低かった。生存曲線ではPP1,PP2C活性が高いAML群で有意に予後が良好であった。