ABSTRACT 1627(P6-2)
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ヒト食道癌細胞株および食道癌組織におけるシアリダーゼ発現の検索:加藤丈人1,2、和田 正1、澤田正志1,2、標葉隆三郎2、里見 進2、宮城妙子11宮城がんセ・研・生化、2東北大・医・2外)

Sialidase expression in human esophageal cancer cell lines and cancer tissues: Takehito KATO1,2,Tadashi WADA1, Masashi SAWADA1,2, Ryuzaburo SHINEHA2, Susumu SATOMI2, Taeko MIYAGI1 (1Div. Biochem., Res. Inst., Miyagi Cancer Center, 2Dept. 2nd Surg., Tohoku Univ. Sch. Med.)

【目的】細胞の癌化に伴うシアル酸量変化の機構と意義を明らかにする目的で、変化を引き起こす代謝的基盤となるシアリダーゼ発現について、ヒト食道癌細胞株および食道癌組織を用いて検索した。【方法】ヒト食道癌細胞株(TE1〜10) 、食道癌部組織および非癌部組織各々5例について、酵素粗抽出液とRNAを調製し、シアリダーゼ活性の測定を行い、RT-PCR法による発現レベルを比較した。【結果と考察】これらの細胞や組織には、リソソームに局在するシアリダーゼと形質膜に主局在を持つシアリダーゼが主要な活性として検出された。それぞれの活性レベルはRT-PCR法によるmRNAレベルとほぼ平行していた。食道癌細胞TE8はヌードマウスへの移植により腫瘍を形成することが知られているが、腫瘍形成能を持たない他の細胞株に比べ、両シアリダーゼの発現が高いことがわかった。また、癌部組織においては非癌部に比べ、3症例においてシアリダーゼの発現の増強が認められた。これらの発現増強の意味を検討している。