ABSTRACT 1629(P6-2)
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びまん性大細胞型Bリンパ腫におけるL-PHA結合糖鎖発現と予後との関連−レクチン組織化学的染色およびレクチンブロットによる検討:鈴木理1, 野沢佳弘1, 川口隆憲2, 阿部正文1( 1福島医大・医・第1病理, 2同・第2病理 )

Phaseolus vulgaris leukoagglutinating lectin ( L-PHA ) binding reactivity is a predictor of survival of the patients with human diffuse large B-cell lymphoma-Lectin histochemistry and lectin blot analysis : Osamu Suzuki1, Yoshihiro Nozawa1, Takanori Kawaguchi2, Masafumi Abe1(11st. Dept. of Pathol. Fukushima Med. Univ., 22nd Dept. of Pathol. Fukushima Med. Univ.)

《目的》リンパ節原発びまん性大細胞型 Bリンパ腫における糖鎖の発現と予後との関連を検討した。《材料と方法》57例のパラフィン包埋切片を用いて14種類のレクチンを用いて組織化学的染色を行い、これらのレクチンが認識する糖鎖の発現とノイラミニダーゼの前処理により糖鎖のシアル化について検討した。さらに、SDS-PAGEおよびレクチンブロットによりL-PHA結合糖蛋白を検出し、弱酸処理およびノイラミニダーゼの前処理により糖鎖のシアル化について解析した。《結果および考察》14種類のレクチンのうちL-PHAの反応性は予後と相関することを示した。すなわち、L-PHAに全く反応しない群やシアル化された糖鎖をもつ群は、シアル化されない糖鎖をもつ群より予後不良であった。また、シアル化された糖鎖をもつ群は、シアル化されない糖鎖をもつ群に比して臨床病期の進行している症例を多くみとめた。レクチンブロットによる検討では、32kdおよび29kdのL-PHA結合糖蛋白の有無あるいはシアル化が予後に関連している可能性が示唆された。《結論》L-PHAのレクチン染色はびまん性大細胞型 Bリンパ腫の予後判定に有用であると考えられ、L-PHA結合糖蛋白 ( 32kdおよび29kd ) の有無あるいはシアル化が予後と関連している可能性が示唆された。