ABSTRACT 1632(P6-2)
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ATL患者血液細胞に於けるceramide量の測定:伊藤 満1,岡崎俊朗1,田嶌政郎1,鈴木孝世2,和気 敦3,和泉洋一郎3,山田恭暉4,有馬直道5,内山 卓11京大・医・血液病態学,2滋賀成人セ・血内,3小倉記念病院・内,4長崎大・医・臨床検査,5鹿児島大・医・一内)

Measurement of ceramide level in cells from patients with ATL : Mitsuru ITOH1, Toshiro OKAZAKI1, Masaro TASHIMA1, Takayo SUZUKI2, Atsushi WAKE3, Yoichiro IZUMI3, Yasuaki YAMADA4, Naomichi ARIMA5, Takashi UCHIYAMA1 (1Hematol. and Oncol., Fac. of Med., Kyoto Univ., 2Hematol. Div., Shiga Med. Ctr., 3Dept. of Int. Med., Kokura Memorial Hosp., 4Dept. of Lab. Med., Nagasaki Univ., Sch. of Med., 51st Int. Med., Fac. of Med., Kagoshima Univ.)

【目的】ceramideはin vitroに於いて白血病細胞の分化やアポトーシスを誘導する際の脂質メッセンジャーとしての働きを持つ.我々はATL患者血液細胞に於けるceramide量を測定し,その臨床的意義の解析を試みた.【方法】ATL患者(急性型,慢性型,くすぶり型),HTLV-1キャリア,健常人より末梢血を採血し,単核細胞を分離後脂質抽出,ジアシルグリセロールアッセイを行いceramide-1-Pを測定し,細胞内ceramide量を決定する.【結果】末梢血単核細胞のceramide量は,健常人(n=8)で20.9±6.1pmol/10^6cellsなのに対し,HTLV-1キャリア(n=7)では12.0±8.8,ATLくすぶり型(n=3)では8.5±5.9,ATL慢性型(n=10)では5.0±3.7,ATL急性型(n=13)では16.4±8.9と病型により差異がある事が示された.【考察】慢性型ではATL細胞の増殖が強くアポトーシスしにくいためceramide量が低く,急性型ではアポトーシスする細胞が増えるためceramide量が増加すると推測される.ATL患者血液細胞のceramide量測定は治療効果判定,予後予測因子となる可能性を含んでいると思われる.