ポスターセッション

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子宮頚部扁平上皮癌における分化関連腫瘍マーカー硫酸化脂質の発現動態とシグナル伝達系との関連：木口一成¹,石渡勇²,岩森正男^3,,（¹聖マリ医大・産婦人科,²石渡産婦人科,^3,近畿大・理工）

Characterization of the squamous carcinoma of human uterine cervix by sulfolipids and differentiation-related markers in relation to it's involvement in the signal transduction system : Kazushige KIGUCHI¹,Isamu ISHIWATA²,Masao IWAMORI^3,,(¹Dept. Obstet. St. Marianna Univ.,²Ishiwata Hospital,^3,Dept. of Science. Univ. of Kinki.)

近年細胞膜硫酸化脂質中コレステロール硫酸(CS)がすべての哺乳動物において扁平上皮系細胞に発現することが示された。そこで今回我々は、子宮頚部扁平上皮癌の細胞生物学的特異性を明らかにするための手段として、CSの発現動態を利用し得るか否かにつきシグナル伝達系との関連も含めて検討した。子宮頚部扁平上皮癌4例の手術摘出組織と同培養細胞株8例を用いた。凍結乾燥組織、細胞より常法に従い抽出、分離後酸性脂質を得た。各脂質はTLCにて展開後定量した。CS合成能は各培養細胞株に35S硫酸ナトリウムを添加し、標識された脂質をBAS-2000image analyzerにて分析した。同時にTG-1活性も測定した。CSによるPKCの活性化により産生されるサイトケラチン(CK)は免疫組織化学染色法により分析した。１）CSは全組織に、又培養細胞株8例中5例に特に角化型に著明な発現が見られた。２）培養細胞株では角化型の1例に高いCS合成能が見られ、同時に強いTG-1活性も認められた。３）CKは組織4例中3例に、又培養細胞株中角化型にのみ認められ、その発現はCSの発現と一致した。子宮頚部扁平上皮癌におけるCSの発現がCKの発現と一致したことより、CSがCKの発現を誘導する可能性が示された。