ABSTRACT 1635(P6-2)
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ガングリオシドGD1aによるFBJ細胞のHGFにより誘導される運動能の抑制 : 日向須美子1, 山形貞子2,3, 山形達也2,31国立医衛研・生物薬品, 2東京工大, 3日本皮革研)

Suppression of HGF-induced migration of FBJ cells by ganglioside GD1a. : Sumiko HYUGA1, Sadako YAMAGATA2,3, Tatsuya YAMAGATA2,3 (1Div. of Biological Chemistry and Biologicals, Natl. Inst. Hlth. Sci., 2Tokyo Inst. Technol., 3Japan Inst. Leather Res.)

【目的】昨年度までの本学会において、マウス骨肉腫細胞由来低転移性FBJ-S1細胞に高発現していたGD1aは高転移性FBJ-LL細胞の運動能を抑制し、またFBJ-LL細胞へGM2合成酵素遺伝子を導入したGD1a高発現細胞は運動能が低下し転移能を喪失したことを報告した。本年はGD1aによる細胞運動抑制機構の解明のために、GD1aの標的分子について検討した。【方法/結果】既知の細胞運動促進因子(HGF, PDGF, FGF)について、トランスウエルを用いてFBJ-LL細胞の運動能に対する効果を検討した結果、HGFが最も強く細胞運動を誘導することがわかった。FBJ-S1及びFBJ-LL細胞のHGF存在下での運動能を比較すると、FBJ-LL細胞はHGF濃度依存的に運動能が高くなったのに対し、FBJ-S1細胞は運動能が低いままだった。GD1a発現量の異なるトランスフェクタント及びモックについてHGF存在下での運動能を比較した結果、GD1a発現量に依存して運動能が低下した。各細胞表面のc-met発現量を抗c-metモノクローナル抗体を用いフローサイトメーターにより比較したところ、いずれの細胞も同程度に発現していた。
【結論】GD1aはHGFにより誘導される細胞運動を抑制していることが示唆され、HGFあるいはc-metがGD1aの標的分子のひとつである可能性が示唆された。