ABSTRACT 1637(P6-3)
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ヒト大腸由来beta-ガラクトース転移酵素群の癌性変化:瀬古玲1、墨谷順一2、久下小百合1、米澤傑3、佐藤栄一3、山下克子11佐々木研・生化、2CREST、3鹿児島大・医・病理)

Changes of beta-galactosyltransferases in human colorectum in the course of carcinogenesis: Akira SEKO1, Jun-ichi SUMIYA2, Sayuri KUGE1, Suguru YONEZAWA3, Eiichi SATO3, Katsuko YAMASHITA1 (1Dept. of Biochem., Sasaki Institute, 2CREST, 3Kagoshima Univ. Sch. of Med.)

[目的]ヒト大腸上皮の癌化過程で起こる糖タンパク質糖鎖の構造変化は、細胞内輸送、細胞間接着、感染防御の低下、及び癌転移能獲得の原因となる。中でも基幹構造を構成するガラクトース結合のtype1鎖からtype2鎖への移行は癌性変化における主要な特徴であり、上記の諸現象に関与することが示唆された(A. Seko et al., Cancer Res., 56, 3468, 1996)。我々はヒト大腸上皮に存在するbeta-ガラクトース転移酵素(GalTs)を分画しそれらの諸性質および癌性変化について検討した。
[結果]ヒト大腸正常上皮の粗膜画分からGalTを可溶化し、UDP-ヘキサノールアミンカラム及びalpha-ラクトアルブミンカラムを用い分画すると少なくとも4種類のGalTが存在することが判明した。これらは基質特異性、界面活性剤依存性において異なっており、癌化に伴い量的に増大する酵素と減少する酵素群に分類された。各GalT遺伝子発現制御機構と細胞の癌化との関連についても検討中である。