ABSTRACT 1646(P6-3)
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ルイス酵素(Fuc-TIII)とFuc-TVIの発現上昇が、非小細胞性肺癌のシアリルルイスx抗原発現量を決定する:栂谷内晶1,2, 工藤崇1, 池原譲1, 岩崎裕子1, 西原祥子1, 安藤俊夫2, 東山聖彦3,, 児玉憲3,, 中森正二4, 成松久1(1創価大・生命研・細胞生物、2創価大・工・生物工, 3,大阪成人病センター・外, 4阪大・第2外)

Upregulation of Lewis enzyme (Fuc-TIII) and plasma-type a1,3-fucosyltransferase (Fuc-TVI) expression determines the augmented expression of sialyl Lewis x antigen in non-small cell lung cancer: Akira TOGAYACHI1,2,Takashi KUDO1, Yuzuru IKEHARA1,Hiroko IWASAKI,Shoko NISHIHARA1,Toshiwo ANDO2,Masahiko HIGASHIYAMA3,,Ken KODAMA3,,Shoji NAKAMORI4,Hisashi NARIMATSU1 (1Inst.Life Sci. Soka Univ., 2Dept. Eng. Soka Univ.,3,Div.Surg.,The Center for Adult Diseases of Osaka,4 2nd Div.Surg.Osaka Univ.)

(目的)Sialyl Lewis x (sLex) 抗原は 癌化に伴って出現し予後と相関する事が知られ、悪性度を決定する要因の一つと考えられている。肺癌においても重要な腫瘍マーカーの一つであるが、その予後との関連に関してはまだはっきりとしない。非小細胞性肺癌におけるsLex抗原量を決定しているフコース転移酵素(Fuc-T)を同定することを目的とした。(方法)20例の肺癌組織を用いた。1) competitive RT-PCR法により各Fuc-Tの転写量を決定した。2) ウエスタン解析によりsLex, sLea量を決定した。3) Le(Fuc-TIII)酵素の遺伝的多型性をPCR-RFLP法により決定した。4) 各種Fuc-Tのin vivoにおけるsLex 合成の比活性を、各種Fuc-Tの安定導入細胞株を用いて決定した。(結果)5種のFuc-Tの転写量のうち、Fuc-TIIIが最も多量に発現されており、しかもすべての肺癌組織で約3ー5倍の発現増強があった。ついで、Fuc-TIV, VI, VIIの順であり、Vは全く発現していなかった。Fuc-TVIも発現量が増強していた。上記1), 2), 3), 4)の条件を考慮すると、Fuc-TIIIがsLex量を決定する主な酵素であり、Fuc-TVIが補助的に合成していると結論した。