ABSTRACT 1648(P6-3)
ヒトGD3合成酵素(α 2,8-シアル酸転移酵素)ゲノム遺伝子の単離と発現調節領域の検討:古川圭子1, 堀江正人2, 古川鋼一1(1名大・医・2生化, 2大塚製薬・大塚GEN研)
Genomic cloning of human GD3 synthase (α 2,8-sialyltransferase) gene and analysis of its 5' flanking region : Keiko FURUKAWA1, Masato HORIE2, Koichi FURUKAWA1 (1Dept. of 2nd Biochem., Nagoya Univ., Sch. of Med., 2Otsuka GEN Res. Inst., Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd.)
[目的]ヒトメラノーマ細胞やT細胞急性リンパ芽球性白血病および成人T細胞白血病細胞などのT細胞系悪性腫瘍においては、酸性糖脂質GD3の特徴的な発現が認められる。そこで、メラノサイトやTリンパ球の癌化に伴う糖鎖変異のメカニズムを分子レベルで明らかにする為に、GD3合成に働く α 2,8-シアル酸転移酵素ゲノム遺伝子を単離し、その転写調節領域の解析を行った。[方法]ヒトゲノム遺伝子 BAC ライブラリーから、PCRによるスクリーニングによって、GD3合成酵素ゲノム遺伝子を単離した。[結果と考察]BACライブラリーより、本酵素ゲノム遺伝子を含む2クローン(109E18、191F4)を単離した。109E18はエキソン1とエキソン2を、191F4は全coding領域を含有していた。クローン109E18の EcoRI 断片を subcloningし、本酵素遺伝子5’上流域約 1.8 kbp(cDNA の5’末端より) のシークエンスを行った結果、本酵素遺伝子の上流域には典型的なTATA ボックスが存在せず、GC ボックス配列が存在した。また、既知の転写因子結合モチーフに関する検索結果において、AML1、c-Myb、v-Myb、GATA、Sp1 等のモチーフが存在した。現在、転写開始点の同定および 5’上流域のプロモーター活性について検討中である。