ABSTRACT 1728(P7-1)
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高肝転移細胞におけるCD44の発現とヒアルロン酸との反応の検討:吉岡年明1,2,今博2,小棚木均2,渡辺斎1,佐藤寧1,梅木靖浩1,吉田憲司1,高橋さつき1,小山研二2,榎本克彦11秋田大・医・病理, 2外科)

Study of the expression of CD44 in high liver metastatic potential cells and the relation of Hyaluronic acid to them:Toshiaki YOSHIOKA1, 2,Hiroshi KON2, Hitoshi KOTANAGI2, Hitoshi WATANABE1, Yasushi SATO1,Yasuhiro UMEKI1, Kenji YOSHIDA1, Satsuki TAKAHASI1, Kenji KOYAMA2, Katsuhiko ENOMOTO1 (1Dept. of Pathol. and 2Surg., Akita Univ.)

【目的】肝転移におけるCD44の関与を検索するため、高肝転移細胞と親株におけるCD44の発現とそのリガンドであるヒアルロン酸(HA)との関係を検討した。【方法】細胞はヒト大腸癌細胞LS174Tと、これを脾臓内注入し肝転移を6回繰り返した高肝転移細胞LS-LM6を用いた。In vitroにおけるCD44の発現は、フローサイトメトリーを用いてCD44H、V3、V4/5、V6、V7/8、V9についてモノクローナル抗体を反応させて計測した。またHAへの接着の評価は、96wellマイクロプレートにHAをコートして51Crで標識した細胞をまき、洗浄後接着した細胞を計測して判定した。In vivoにおける検索は、LS-LM6細胞における肝転移巣から凍結切片を作製し、各抗CD44抗体と抗HA抗体を用いた免疫組織化学染色により行った。【結果と考察】LS-LM6細胞は、親株よりCD44H、V3、V6の有意な発現の上昇を、またV7/8で軽度上昇を認めた。V9は両細胞とも90%以上発現していたが有意な上昇は認めなかった。V4/5は両細胞とも発現していなかった。HAへの接着はLS-LM6細胞で上昇した。肝転移巣では、腫瘍部分にCD44H、V3、V6、V7/8、V9の発現を、また腫瘍巣内にHAの発現を認めた。以上よりLS-LM6細胞の肝転移能の上昇にCD44H、V3、V6が関与している可能性が示された。腫瘍巣内のHAの産生について現在検討している。