ABSTRACT 1734(P7-1)
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S100A4遺伝子がヒト扁平上皮癌細胞の浸潤・増殖能に及ぼす影響:魚住真樹,村尾真一,中山伊知郎,北澤荘平,北澤理子,前田盛(神戸大・医・病理二)

Antisense S100A4 expression in human squamous cell carcinoma cells results in decreased invasiveness to Matrigel : Masaki UOZUMI, Shinichi MURAO, Ichiro NAKAYAMA, Sohei KITAZAWA, Riko KITAZAWA, Sakan MAEDA ( Dept. of Pathol., Kobe Univ.)

【 目的】近年S100A4遺伝子はマウス乳癌細胞をはじめとする転移関連因子として注目されている。我々はS100A4(calvasculin,CAPL,metastatin,mts1,p9Ka,etc)やS100A6(calcyclin,CACY,etc)遺伝子のヒト上皮性悪性腫瘍細胞における機能解析を続けてきたが、今回S100A4及びS100A6遺伝子のアンチセンスを口腔扁平上皮癌、大腸腺癌の培養細胞株に導入し、これらの細胞の増殖及び浸潤能に関する検討を行った。【方法】 細胞は口腔扁平上皮癌2種(KOSC-3とHSC-4細胞)と大腸癌 HT-29 細胞を用いた。S100A4、S100A6の全転写領域をPCR法で合成し、センスとアンチセンスのそれぞれの向きになるようpRc/CMV ベクターへ組み込み、リポフェクション法で遺伝子導入を行った。浸潤能はマトリゲルを用い測定した。【 成績】S100A4アンチセンスを安定に発現するKOSC-3細胞二種は、chemoattractantとしてEGFを用いた場合に置いて浸潤能の抑制が見られた。一方増殖能に関しては今回の遺伝子導入による変化は見られなかった。