ABSTRACT 1736(P7-1)
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腫瘍の浸潤・転移関連遺伝子mta1に相同性の高い新規遺伝子MTA1-L1(mta1 like1)の単離と機能解析 二村 学1,2, 西森博幸, 白土敬之, 織田克利, 佐治重豊, 時野隆至, 中村祐輔東大医科研・ヒトゲノム・シークエンス解析, 岐阜大・2外, 札幌医大・がん研) Molecular cloning and characterization of a novel human gene, MTA1L1, bearing homology to mta1:Manabu FUTAMURA1,2, Hiroyuki NISHIMORI, Takayuki SHIRATSUCHI, Katsutoshi ODA, Shigetoyo SAJI, Takashi TOKINO, Yusuke NAKAMURA (Lab. Mol. Med., Inst. Med. Sci., Univ. Tokyo, 22nd Dep. Surg., Gifu Univ.,Cancer Res. Inst., Sapporo Med. Univ.) mta1遺伝子は浸潤・転移能に差のあるラット乳癌細胞株を用いて、転移を誘導する候補遺伝子のひとつとして単離された。そのヒトホモログのmRNA発現は、胃癌および大腸癌において腫瘍の浸潤・転移の程度と正の相関があると報告されている。今回われわれは、mta1に相同性の高い新規遺伝子、MTA1-L1(mta1 like 1)を単離したので報告する。MTA1L1 cDNAは全長2736bp、ORF 2004bp、668アミノ酸からなり、染色体11q12-13.1にマッピングされ、アミノ酸レベルにてmta1と約60%の相同性を認めた。構造的にはmta1に類似した各種モチーフを認めることからその産物は、mta1類似のシグナル伝達機能や転写因子としての機能を有する可能性が示唆された。 また同遺伝子はヒト組織において広範囲に発現しており、正常組織においても必要機能を有すると考えられた。現在臨床検体を用い癌組織におけるMTA1-L1遺伝子の発現について検討中である。