ABSTRACT 1795(P7-4)
 ポスターセッション一覧 トップ 


胃癌腹膜播種転移と血管新生:吉川貴己1,小林 理1,西連寺意勲1,本橋久彦1,矢野間俊介2(1;神奈川県立がんセンター1外科3科,2;研究2科)

Peritoneal dissemination and angiogenesis in gastric cancer : Takaki YOSHIKAWA1, Osamu KOBAYASHI1, Motonori SAIRENJI1, Hisahiko MOTOHASHI1, Shunsuke YANOMA2 (13rd Dept.Surg, 22nd Dept.Research, Kanagawa Cancer Center)

【対象及び方法】<臨床研究>胃癌腹膜播腫転移症例における腹膜播腫結節の血管新生の有無を検討した。<動物実験>Balb/C nude mouse (n=50)を対象とし,胃癌細胞株MKN-45をmouse腹腔内に1×107個注入した。TNP-470は,day 1より30mg/kg,3回/week,皮下投与した。腹膜播腫転移結節の最大腫瘍径,数,生存期間により評価した。<細胞実験>TNP-470(0, 0.1, 1.0 ug/ml)のMKN-45細胞への直接効果を検討した。【結果】<臨床研究>結節型の腹膜播腫転移症例10例全例に血管新生を認めた。<動物実験>生存期間の中央値は,control群(n=16) 30日,TNP投与群(n=8) 37日と有意に延長した。Kaplan-Meiyer法を用いた生存率の解析では,TNP投与群で有意に良好であった。 day20における腹膜播腫結節の最大径は,TNP投与群で有意に縮小していた。<細胞実験>MKN-45細胞に対して,TNP-470は,細胞増殖抑制作用を示さなかった。【まとめ】胃癌腹膜播種転移では,腹膜へ生着した腫瘍細胞の増殖に血管新生が関与していること,この血管新生を抑制することで,腫瘍細胞の増殖を抑制できることが示唆された。