ABSTRACT 1802(P7-4)
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低分子量G蛋白質Rhoの阻害による血管新生抑制の試み: 内田茂樹1、渡辺剛1、嶋田裕1、加賀野井純一1、伊丹淳1、及川 勉2、成宮周3、今村正之11京大・腫瘍外科、2都臨床研・化学療法研究部門、3京大・神経細胞薬理学)

An attempt to inhibit angiogenesis by inactivating the Small GTPase Rho protein: Shigeki UCHIDA1,Go WATANABE1,Yutaka SHIMADA1, Junichi KAGANOI1, Atsushi ITAMI1, Tsutomu OIKAWA2, Shuh NARUMIYA3, Masayuki IMAMURA1 (1Dep. of Sur. & Sur. Bas. Science, Kyoto Univ., 2Dep. of Can. Ther., Tokyo Met. Ins. of Med. Sci.、 3Dep. of Pharm., Kyoto Univ.)

(目的)アクトミオシン系を介して細胞運動を抑制する低分子量G蛋白質Rhoを阻害することによる血管新生の抑制について検討した。(方法)マトリゲル上にヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を重層培養し、Rhoを不活性化するC3酵素による管腔形成の抑制について検討した。0μg/ml〜100μg/ml の濃度のC3酵素で24時間培養し管腔長を計測した。in vivoでの効果を判定するため鶏卵漿尿膜における血管の抑制について検討した。鶏漿尿膜上に0.01μg、0.1μgのC3酵素を溶かしたメチルセルロースを静置し漿尿膜上の新生血管抑制を判定した。 (結果)内皮細胞の管腔長は、容量依存性に抑制された。同条件による内皮細胞の増殖抑制は殆ど認めなかった。鶏漿尿膜における新生血管の抑制を認めた。 (結語) C3酵素によって低分子量G蛋白質Rhoを不活性化する事により血管内皮細胞の管腔形成・胎生期血管新生が抑制される事を示し、細胞運動を抑制することによって血管新生が抑制される事を示した。低分子量G蛋白質Rhoを介するシグナル伝達系の抑制が血管新生抑制に有用と考えられた。