ABSTRACT 1810(P7-4)
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子宮内膜癌細胞における漢方薬の血管新生能の抑制効果:坂口英樹、藤本次良、廣瀬玲子、玉舎輝彦 (岐阜大・産婦)

Inhibitory effect of Japanese-Sino medicines on angiogenic potential derived from uterine endometrial cancer cells:Hideki SAKAGUCHI, Jiro FUJIMOTO, Reiko HIROSE, Teruhiko TAMAYA (Dept. of OB/GYN, Gifu Univ.Sch. Med.)

[目的]近年子宮内膜癌の頻度が増し、進展様式も多様化してきた。したがって、比較的副作用の少ない薬物を適切に用いる工夫が必要である。そこで、漢方薬の癌細胞の進展に関与する血管新生能における抑制効果を検討した。[方法]血管内皮細胞(HUV-EC-C細胞)を、ダブルチャンバー法によって子宮内膜癌細胞と共培養し、血管内皮細胞の血管新生過程における管腔形成能を、8視野(100倍)における1視野中において形成された管腔の長さの和にて判定した。[結果]血管内皮細胞の管腔形成能は、プロゲステロンによって15%程度抑制された。一方、ERQ加UG辛夷および十全大補湯によって45%程度抑制された。[結論]一般に、黄体ホルモンの血管新生能の抑制効果は高いとされているが、子宮内膜癌細胞における血管新生能は、黄体ホルモンよりはるかにERQ加UG辛夷および十全大補湯によって抑制された。したがってこれらの漢方薬は血管新生能を介して子宮内膜癌の進展を抑制できる症例があると考えられた。