ABSTRACT 1815(P7-5)
大腸腫瘍におけるMTA1発現に関する免疫組織学的検討:澤田秀智1、榎本泰三1、那波明宏2、藤也寸志3、渡辺明彦1、山本克彦1、藤井久男1、中野博重1(1奈良医大・1外、2名大・医・産婦、 3九州がんセ・臨研病理)
Immunohistochemical analysis of MTA1 expression in human colorectal tumors : Hidetomo SAWADA1, Hiromitsu ENOMOTO1, Akihiro NAWA2, Yasushi TOH3, Akihiko WATANABE1, Katsuhiko YAMAMOTO1,Hisao FUJII1 and Hiroshige NAKANO1 (11st. Dept. Surg. Nara Med. Univ., 2Dept. of Obstet.,Gynecol., Sch. of Med., Nagoya Univ., 3Clin. Res. Inst., Natl. Kyusyu Cancer Ctr.)
【目的】mta1遺伝子はラット乳癌の高転移株から分離同定された新しい転移関連遺伝子で、RT-PCR法による検討では、ヒト大腸癌や胃癌の進展に関わっている可能性が報告されている。今回我々は、大腸腫瘍組織でのMTA1蛋白発現を検討した。【対象と方法】当科で外科的切除または内視鏡的切除した大腸腺腫26例および大腸癌142例に対し、抗MTA1抗体 を用い、SAB法により免疫組織化学染色を行った。【成績】MTA1は腺腫および癌部の細胞質が染色され、陽性率は大腸腺腫7.7%、大腸癌では38%で、大腸癌は大腸腺腫に比べ有意に陽性率が高かった。大腸癌の腫瘍径とMTA1の発現に相関を認めた。MTA1の発現とp53、PCNAの発現のそれぞれの間には相関は認めなかった 。