ABSTRACT 1816(P7-5)
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早期大腸癌におけるCD44の発現について :中村司朗1,安武亨1,久松貴1,辻孝1,綾部公懿1,田川泰2 (1長崎大学第一外科,2長崎大学医療技術短大)

Appearance of CD44 in early colon cancer
Shiro NAKAMURA1, Toru YASUTAKE1, Takashi HISAMATSU1, Takashi TSUJI1, Hiroyoshi AYABE1, Yutaka TAGAWA2 (1.1st Dept.of Surgery, Nagasaki Univ. School of Medicine, 2.The School of Allied Medical Sciences, Nagasaki Univ.)

[目的] 近年、内視鏡的診断能の向上により平坦・陥凹等の表面型病変が多く見られるようになった。これらは隆起性病変に比して壁深達度が大きく、発育形式も異なると言われている。今回我々は、表面型大腸癌の浸潤能を検討するため、ホルマリン固定パラフィン切片CD44v6染色を行い病理組織学的因子を検討した。
[方法]当科にて大腸切除術施行19例中、賑眼分類でIIb 型早期癌6例、IIc 型早期癌2例、比較対象としてIIa型早期癌6例、Is型早期癌5例を用いた。CD44染色はanti-CD44 v6monoclonal抗体を用いたLSAB法にて行った。
[結果]CD44のLabeling indexはIs:43.3、IIa:46.3IIbIIc:63.6であり隆起癌の間では差は見られなかったが、表面平坦陥凹型に多くみられた。病理学的壁深達度についてm,sm間で差はみられなかった。ly因子では ly>1 と ly=0 の二群間で差はみられなかった。病巣部位とCD44の陽性度との関係では 癌の表層部と先端部では差はみられなかった。
[結語]CD44が表面型に高く見られたことは表面型病変が隆起型より高い浸潤能を持つと考えられた。