ABSTRACT 1824(P7-5)
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ヒト乳癌のカテプシンB及びシスタチンCの発現:矢野正雄1,2,平井恭二,内藤善哉,猪口正孝,白木康夫,石渡俊行,工藤光洋,横山宗伯,浅野伍朗日本医大・病理,目白第三病院・外)

Immunohistochemical study and expression of mRNA of cathepsin B and cyctatin C in human breast cancer: Masao YANO1,2, Kyoji HIRAI1, Zenya NAITO1, Masataka INOKUCHI2, Yasuo Shiraki2, Toshiyuki ISHIWATA1, Mitsuhiro KUDO1, Munehiro YOKOYAMA1 and Goro ASANO1 (1 Dept. 2nd Pathol., 2 Dept. Surg., Mejiro 3rd. hosp.)

【目的】カテプシンB(CB)はラミニン、TypeIV collagen、fibronectinなどの分解酵素として知られている。また、シスタチンC(CC)はCBのインヒビターとして知られている。CB、CC は共に癌の浸潤・転移に重要な役割を果たしていると考えられる。そこで我々は今回、CBの局在について免疫組織化学的に検索した。さらにRT-PCR法にてCBmRNA、CCmRNAの発現を調べ検討した。
【材料、方法】乳癌症例のうち補助療法を施行していない原発浸潤癌36例を対象とした。対照は非癌部乳腺組織14例とした。免疫組織化学的にはsABC法を用いた。RT-PCR法についてはoligo-nucleotide probeを用い検討し、NIH imageを用い半定量した。
【結果、及び考察】浸潤性乳管癌において、CBは癌細胞自身に発現が認められ、癌の浸潤・転移に関わっている可能性が示された。またCCも癌細胞自身に発現が認められた。さらに、CBmRNA、CCmRNAの発現比を半定量法にて調べてみると非癌部組織に比べ、癌組織では有意にCCmRNA / CBmRNA値が低値を示した。このことは癌の浸潤・転移には単にCB発現だけでなく、CB、CC発現のバランス問題になっていることが示唆された。CCは間質の線維芽細胞にも発現しており、生体防御に関わっている可能性があることが示唆された。