ABSTRACT 1826(P7-5)
 ポスターセッション一覧 トップ 


乳癌のリンパ節転移に関連する糖鎖ネットワークと主要な糖鎖の分子性状:川口隆憲1、杉野隆1、高沢博2、今井俊介3,1福島医大2病理、2国立千葉病、3,奈良衛研)

Carbohydrate network associated with nodal status of breast cancer and molecular characteristics of major carbohydrates: Takanori KAWAGUCHI1 Takashi SUGINO1, Hiroshi TAKAZAWA2, and Shunsuke IMAI3, (1Dept of Pathology II, Fukushima Med Univ. 2Dept of Pathol, Chiba Natl Hospit, 3,Nara Pref Inst of Pub Health)

284症例の浸潤性乳管癌のリンパ節転移と関連する癌細胞の糖鎖を19種類のレクチンと8種類の単クローン抗体(MAb)で免疫組織学的に検討したが、有意な関連はほとんど認めなかった。そこで2種類のレクチン/MAbsの染色性を組み合わせて解析したところn (+)に関して全症例ではTn, VVA, H, AAA, Lex、T1癌ではLex、 T2癌でH,AAA、髄様腺管癌でTn, VVA、を中核とした糖鎖間の相乗関連があった。拮抗関連はECA, ConA, PHA-Lを中核としてみられた。7症例についてTn抗原とMUC1の関連をSDS-PAGE, Western blot法で検討した。このMUC1抗体で認識される主な分子は約400kDaで対応するTn抗原はなかったが、200kDa以下のものと対応するbandが認められた。免疫組織学的にはTnとMUC1の細胞内局在は類似するが発現細胞の範囲はMUC1が広かった。 乳癌のリンパ節転移に関連する糖鎖は複数が群をなして対応していると考えられる。MUC1はこれらの糖鎖を担う候補の一つである可能性が高い。