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子宮頚癌術後４年目に発症した転移性大腸癌の１症例：三宅泰裕、関本貢嗣、冨田尚裕、大植雅之、門田守人（大阪大学第２外科）

A case of metastatic colon cancer originating from the cervix of the uterus; Yasuhiro MIYAKE, Mitsugu SEKIMOTO, Naohiro TOMITA, Masayuki OHUE, Morito MONDEN (Dept.of Surg.II Osaka Univ.)

転移性大腸癌は原発性大腸癌の0.1〜1.0％とされている。今回我々は、子宮頚癌術後４年目に発症した転移性S状結腸癌を経験したので報告する。 症例は52才、女性。４年前に子宮頚癌に対し広汎子宮全摘術を施行された。手術所見はcc, pTb, pNR(0) M(0) stageIIIbで、中分化腺癌であった。術後総量50Gyの放射線療法を行った。以後、婦人科に通院していたが、平成９年６月５日腹痛、嘔吐を訴えた。注腸透視検査では肛門縁より20cmのS状結腸に狭窄像を認めた。内視鏡検査でも同部位に全周性の狭窄を認めた。生検では悪性所見は得られなかった。放射線大腸炎による大腸狭窄を疑い、平成９年７月８日腹腔鏡下S状結腸切除術を施行した。腹水や腹膜播種は認めず、放射線療法により腹膜は線維化しS 状結腸は癒着していた。病理組織像では粘膜下層から筋層にかけて腺癌を認めるも、粘膜面及び漿膜面には異常を認めず、子宮頚癌の脈管性の大腸転移と診断した。術後９カ月を経過し、再発を認めていない。脈管性転移による転移性大腸癌は非常に稀である。