ABSTRACT 1839(P7-6)
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尿路上皮癌における活性型マトリックスメタロプロテアーゼ-2の発現の意義:神田和哉,西谷真明,村上佳秀,辻雅士,横田欣也,金山博臣,香川 征(徳島大・医・泌)

Expression of activated matrix metalloproteinase-2 in urothelial tumor: Kazuya KANDA, Masaaki NISHITANI,Yoshihide MURAKAMI,Masahito TSUJI ,Kin-ya YOKOTA,Hiro-omi KANAYAMA, Susumu KAGAWA ( Dept . Urol., Sch. Med., Tokushima Univ.)

【目的】マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)は細胞外マトリックスを分解し癌の浸潤,転移に重要な役割を果たしていると考えられている。今回我々は尿路上皮癌において活性型MMP-2の蛋白発現レベルと臨床所見との関連について解析した。【対象と方法】尿路上皮癌49例の手術から得た癌部凍結組織を用いてゼラチンザイモグラフィーを施行した。活性型MMP-2の蛋白発現レベルを半定量的に解析し,病理組織学的所見および予後との関連について検討した。【結果】組織学的深達度では浸潤性尿路上皮癌( ≧pT2)が非浸潤性尿路上皮癌( <pT2)に比べ活性型MMP-2の蛋白発現レベルが有意に増強していた(p < 0.005)。異型度ではGradeの上昇に従い活性型MMP-2の発現レベルは増強していた(G1 vs G2:p<0.05,G1 vs G3:p<0.05)。また活性型MMP-2の発現レベルを2群(high,low)に分類し検討するとhigh群はlow群に比較し有意に予後不良で(p < 0.005),5年生存率はhigh群が44.0%,low群が78.8%だった。【結論】活性型MMP-2の発現は尿路上皮癌の浸潤に相関しており,予後予測因子になりうる可能性が示唆された。