ポスターセッション

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乳癌におけるDNA ploidy patternとFISHによる8番染色体の数的異常の関連−リンパ節転移との検討：原　信介¹、寺田隆介¹、綾部公懿¹、田川　泰²(¹長崎大・医・一外、²長崎大・医短)

Correlation between DNA ploidy pattern and aberration of chromosome 8 detected by FISH (fluorescence in situ hybridization) in human breast cancer : Shinsuke HARA¹, Ryusuke TERADA¹, Hiroyoshi AYABE¹, Yutaka TAGAWA² (¹First Dept. of Surgery, Nagasaki Univ. Sch. of Med., ²The School of Allied Medical Sciences, Nagasaki Univ.)

乳癌の悪性度の指標としては種々の細胞生物学的要因が研究されているが、予後をもっとも反映するのは腋窩リンパ節転移の状態（n）であり、それぞれがn因子と比較検討されている。
【目的】術前未治療の乳癌50例の手術切除凍結乳癌組織より、フローサイトメトリー（FCM）でDNA ploidy patternを、またFISHにより染色体8番の数的異常を測定し、その相関とそれぞれのリンパ節転移との関連について比較検討した。
【方法】凍結組織の一部を細切しPI染色しFCMにてDNA ploidy patternを、一方はスタンプ標本を作成し、アセトン固定後、DNAプローブは8番染色体のセントロメアに対するＤ8Z1/biotin（Oncor社）を用い、FISH施行し、8番の数的異常を200個の癌細胞で数えた。
【結果】DNA ploidy patternはaneuploidy 33例（66%）、diploidy 17例（34%）、8番染色体の数的異常は19%から75％と幅広く認められた。DNA ploidy patternと8番染色体の数的異常の間には相関はなかった。8番の数的異常の多い癌がリンパ節転移と相関があった（p=0.023）。DNA ploidy pattern はリンパ節転移との相関はなかった。
【考察】DNA ploidy patternは相対的DNA量であり個々の染色体の詳細な検討が必要であり、8番染色体の数的異常はリンパ節転移と関連があることが窺われた。