ABSTRACT 1853(P7-7)
放射免疫療法におけるAvidin Chaseの骨髄抑制軽減効果:佐藤則子1, 佐賀恒夫1, 阪原晴海1, 中本裕士1, 黒木政秀2, 松岡雄治2, 小西淳二1(1京大・医・核, 2福岡大・医・1生化)
Reduction of bone marrow toxicity by avidin chase in radioimmunotherapy of liver micrometastases : Noriko SATO1, Tsuneo SAGA1, Harumi SAKAHARA1, Yuji NAKAMOTO1, Masahide KUROKI2, Yuji MATSUOKA2, Junji KONISHI1 (1Dept. of Nuc. Med., Kyoto Univ., 21st Dept. of Biochem., Fukuoka Univ.)
【目的】放射免疫療法におけるAvidin Chaseの骨髄抑制軽減効果を検討した。【方法】ヒト大腸癌細胞株LS174Tの経脾門脈内投与により肝転移を作成したマウスに、I-131標識ビオチン化抗CEA抗体 11.1MBq(33-38マイクログラム)を静脈内投与し、標識抗体投与24、30時間後に2回のアビジン投与(各99-114マイクログラム)を行った。経時的に末梢白血球数を測定し、23日後に治療効果を非Chase群と比較した。【結果】Avidin Chaseにより血中の放射能は急速に低下し、Chase直前の16.10 %ID/gから、3日後にChase群 2.08 %ID/g、非Chase群 13.69 %ID/gとなった。末梢白血球は6日後に最も減少したが、Chase群では1000/mm3以上を保つことができ(Chase群 1448/mm3、非Chase群 975/mm3)、回復も早かった。腫瘍への放射能集積も減少したが、腫瘍/正常組織比は上昇した(3日後のChase群、非Chase群の腫瘍集積 12.95 %ID/g vs 24.79 %ID/g、腫瘍/血液比 6.55 vs 1.76、腫瘍/正常肝比 84.40 vs 21.44)。Chase群と非Chase群で短期的な治療効果に明らかな差はなかった。【結論】Avidin Chaseは放射免疫療法における骨髄抑制の軽減に有効と考えられた。