ABSTRACT 1893(P7-9)
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ハムスター膵癌移植モデルにおける膵原発巣切除後の潜在性肝転移の検討:松下 晃恩田昌彦、内田英二、小林 匡、相本隆幸、井上松応、中村慶春、山村 進、柳 健、田尻 孝、内藤善哉、浅野伍朗(日本医大一外、同二病理)

Liver metastasis of pancreatic cancer in hamster after the resection of implanted pancreatic tumor:Akira MATSUSHITA1, Masahiko ONDA1, Eiji UCHIDA1, Tadashi KOBAYASHI1, Takayuki AIMOTO1, Matsuo INOUE1, Yoshiharu NAKAMURA1, Susumu YAMAMURA1, Ken YANAGI1, Takashi TAJIRI1, Zenya NAITO2, Goro ASANO1 (11st Dept.of Surg., 22nd Dept.of Pathol., Nippon Med.Sch.)

【目的】当科で樹立したハムスターBOP誘発膵癌細胞株(PGHAM-1)は組織学的にヒト膵癌と類似しており、K-ras遺伝子の点突然変異が存在し、同種膵内移植により短期間に高率に肝転移を生じることからヒト膵癌を考えるうえで有用なモデルである。今回このモデルを用い、膵原発巣の早期切除後の潜在性肝転移の検索を行った。
【方法】5×10個のPGHAM-1をハムスターの膵脾葉に注入移植した。膵切除群(20匹)は移植後10日目に移植膵腫瘍を切除し、21日目に屠殺剖検した。対照群(20匹)は21日目に屠殺剖検した。両群ともに肝転移の有無を肉眼的、組織学的に検索すると同時にEnriched PCR法にてK-ras遺伝子の点突然変異の検出を行った。
【結果】膵切除群では肉眼的、組織学的に肝転移を認めず、K-rasの点突然変異も検出されなかった。対照群では70%(14匹)に肝転移を認め、すべての肝転移巣からK-rasの点突然変異が検出された。
【結語】膵原発巣の早期切除により潜在性肝転移をも防ぐことができる可能性が示唆された。