ABSTRACT 1905(P8-1)
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精巣腫瘍におけるMAGE遺伝子の発現:
原 章二, 原  勲, 山中和樹, 三宅秀明, 玉田 博, 後藤章暢, 郷司和男, 荒川創一, 守殿貞夫(神戸大・医・泌) 

Expression of MAGE gene in testicular germ cell tumors : Shoji HARA, Isao HARA, Kazuki YAMANAKA, Hideaki MIYAKE, Hiroshi TAMADA, Masashi NOMI, Akinobu GOTOH, Kazuo GOHJI, Soichi ARAKAWA and Sadao KAMIDONO (Dept. of Urology, Kobe Univ., Sch. of Med.)

(目的)MAGE遺伝子はCytotxic T lymphocyte(CTL) が認識する腫瘍抗原遺伝子の一種であり、様々な癌細胞にて発現が確認されている。一方、正常組織では、精巣、胎盤のみに発現が認められている。今回、我々は精巣の癌化に伴い、MAGE遺伝子の発現がどう変化するのかをm-RNAレベルにて検討した。〔方法〕精巣腫瘍32例[Seminoma (SE) 22例、Nonseminomatous germ cell tumor (NSGCT) 10例]および正常精巣 6例よりtotal RNA を抽出、RT-PCR法を用いm-RNAレベルでのMAGE-1、-2、-3、-4の発現を検索した。
〔結果〕
 MAGE-1MAGE-2MAGE-3MAGE-4
SE(22例)
NSGCT(10例)
合計(32例)
16(72%)*
3(30%)*
15(68%)
5(50%)
18(82%)*
4(40%)*
17(77%)*
4(40%)*
19(59%)20(63%)22(69%)21(66%)
正常精巣(6例)6(100%)6(100%)6(100%)6(100%)
*:p<0.05(Fisher's exact test)
32検体のうち、MAGE1の発現は19(59%)、2では20(63%)、3では22(69%)、4では21(66%)であった。このうち、SEでのMAGE1の発現は16(72%)、2では15(68%)、3では18(82%)、4では17(77%)であり、NSGCTでのMAGE1の発現は3(30%)、2では5(50%)、3では4(40%)、4では4(40%)であった。〔結論〕正常精巣ではMAGE-1、-2、-3、-4遺伝子は全例で陽性であった.MAGE-1、-3、-4遺伝子はSEにおいてNSGCTに比し、有意に高率に発現されておりSEがNSGCTの前駆段階である説を支持するものであった。