ABSTRACT 1906(P8-1)
 ポスターセッション一覧 トップ 


SCYLP由来ペプチドのHLA-A24拘束性白血病ワクチン療法への応用:五味慎也1,2,菊地慈1,中尾真修1,林明宏3,伊東恭悟11久留米大・医・免疫、先端癌治研癌ワクチン部門,2岡大・1外,3久大・医・外科)

SCYLP-derived peptides as peptide vaccines for HLA-A24+ leukemia patients: Shinya GOMI1,2, Megumi KIKUCHI1,Masanobu NAKAO1,Akihiro HAYASHI3,Kyogo ITOH1(1Dept.Immunol.,Res. Center for Innovative Cancer Therapy, Kurume Univ. Sch. Med.,2Dept. Surg., Okayama Univ. Sch. Med., 3Dept. Surg., Kurume Univ. Sch. Med.)

【目的】肺腺癌局所浸潤リンパ球(TIL)より樹立したHLA-A24拘束性腫瘍特異的CTLを用いて抗原遺伝子・ペプチドを同定し、白血病患者のワクチン療法への応用を検討した。【方法】肺癌患者(HLA-A2/24)のTILをIL-2存在下で培養してHLA-A24拘束性CTLを誘導した。また膀胱癌細胞株(HLA-A24)由来のcDNAライブラリーから、Boonらの方法にて 腫瘍抗原遺伝子およびペプチドを同定した。同定されたペプチドで健常人および白血病患者の末梢血単核球を刺激して、HLA-A24拘束性腫瘍特異的CTLの誘導を試みた。【結果】肺腺癌TIL由来のCTLはHLA-A24拘束性に多種の癌細胞株を認識した。このCTLに認識される膀胱癌細胞株のcDNAライブラリーから抗原遺伝子が2種同定され、1つは既知の蛋白質secreted cyclophilin-like protein(SCYLP)をコードする遺伝子であった。この蛋白質中のぺプチドでHLA-A24結合モチーフをもつ12種のうち2種は、HLA-A24拘束性に同CTLに認識され、またこれらのぺプチドで健常人および白血病患者の末梢血単核球を刺激して、HLA-A24拘束性腫瘍特異的CTLが誘導された。【考察】膀胱癌細胞株のcDNAライブラリー中に、HLA-A24拘束性抗原遺伝子が2種以上存在し、うち1種にコードされる2つのペプチドは白血病患者のワクチン療法に使用し得ることが示唆された。