ABSTRACT 1910(P8-1)
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胃癌抗原ペプチドF4.2の提示機構における熱ショック蛋白質HSC73分子シャペロンの役割
藤原理太郎,鳥越俊彦,佐原弘益,平井到,鈴木純一,中川喬佐藤昇志, 菊地浩吉,(札幌医大・医・病理1,札幌医大・眼科)

Stress protein HSC73 as a shuttle for antigenic peptide transportation in cytoplasm
Osamutaro Fujiwara,Toshihiko TORIGOE,Hiroeki SAHARA,Itaru HIRAI,Jun-ichi SUZUKI,Takashi NAKAGAWA,Noriyuki SATO, Kokichi KIKUCHI
Department of Pathology,Department of Ophthalmology, Sapporo Medical University School of Medicine, Sapporo, Japan.

(目的)我々はHLA-A31拘束性胃癌抗原ペプチドF4.2を同定し、癌ワクチンとしての有効性を検討しているが、今回F4.2の細胞内抗原提示およびF4.2抗原性発現におけるHSC73の役割について検討を加えた。(方法)ヒトリンパ芽球様細胞 T1とマウスリンパ腫細胞 RMAを用い、HSC73とプロテアソーム、TAPとの分子会合についてImmunoblot法で解析した。また、F4.2とHSC73の結合について検討した。さらに、SV40 large T を移入したHeLa細胞株HOBC8にHST-2由来のHLA-A*31012を移入したHOBC8-A31に、F4.2のアミノ酸をコードする合成ヌクレオチドを組み込んだベクターを導入し、HLA-A31拘束性CD8陽性T細胞TcHST-2の反応を検討した。(結果と考察)1mM ATP存在下でプロテアソームとHSC73は会合し、ATPを加水分解させることにより解離した。TAPはHSC73と会合し、10mM ATP存在下で解離することが判明した。胃癌抗原ペプチドF4.2はin vitroでHSC73と結合していた。また、TcHST-2はF4.2を発現させたHOBC8-A31に細胞障害活性を示し、F4.2はTAP依存性と考えられた。HSC73分子シャペロンは、癌抗原性発現に重要と考えられ、癌ワクチン療法の効果発現への重要性が推測された。